PHSのウィルコムの社長に十月就任した喜久川政樹(きくがわ・まさき)氏(43)に、今後の経営戦略を聞いた。
――番号継続制導入で携帯電話の販売競争は過熱。同制度の対象外のPHSへの影響はどうか。
「携帯電話の端末の値引きなど携帯市場が想定以上に荒れ、十一月は(携帯にお客を取られるなど)新規加入に影響を受けた」
「だが、PHS同士の通話やすべてのメールが月二千九百円で済む定額料金の安さは伝わっており、十二月は加入が戻りつつある。年度末までには以前のペースに戻し、一−二年以内には契約数を今の約四百三十万台から五百万台にしたい」
――具体策は。
「メールアドレスなどを、(PHSの端末同士を近づけて)簡単に交換できる赤外線通信機能を早く付け、携帯クレジットなどに使われる集積回路(IC)チップの組み込みも前向きに検討する。法人向けでは基本ソフト(OS)のウィンドウズを搭載した多機能PHS端末を、企業の業務システムと接続するサービスに力を入れる。通信費を削減したい地方の中堅・中小企業への営業も強化している」
――携帯電話の通信速度の高速化競争が激しい。
「来春に毎秒最大512キロビットのサービスを始め、その先は800キロビット化も検討する。(最大で数メガビットとする)携帯電話は通信が混雑すると速度が表示より大幅に下がるが、PHSでは速度が安定している」
――赤字決算が続いたが、黒字化のめどは。
「八月から十一月まで、単月で経常黒字になった。年度の見通しは分からないが、費用が大きく膨らむ要因はない」