製造業へ投資 DDIポケット買収のカーライル日本代表・安達保氏 2004年7月8日 東京朝刊 10ページ  PHS(簡易型携帯電話)最大手のDDIポケットを総額2200億円で買収 する計画を発表した米投資ファンド、カーライル・グループの日本代表を務める 安達保マネージングディレクターは、朝日新聞の取材に応じ、07年9月までに 国内の製造業などを対象にさらに総額約300億円を投資していく方針を明らか にした。一問一答は次の通り。  ――DDIポケットを買収した狙いと戦略は。  「DDIは技術力はあるものの、親会社のKDDIからみると非中核事業で、 経営資源の投入には限界があった。我々の資金を入れることで新たな成長を実現 できる」  「好調なノートパソコン向けPHSサービスをさらに伸ばすため、今年度中に データ伝送速度を現在の倍の256キロビットに引き上げる」  ――買収総額2200億円はどのように調達するのですか。  「買収資金は日本以外にも、グループの米国やアジアのファンドに出資を仰ぐ ほか、銀行団からの借り入れでまかなう」  ――カーライルの投資戦略は。  「全世界の投資資金の25%を通信分野に、60%を製造業に投入している。 日本でも製造業とアウトソーシング産業を中心に投資を続け、投資後3〜5年は 株式を保有し企業価値を高めたい」  「日本では昨年暮れ、生損保や銀行などに出資を募り、総額500億円のファ ンドを組成した。すでに約200億円の投資が決まり、残る300億円も07年 9月までに出資先を決める。年間2〜3社に投資していく」  ――再生ファンドの活躍が目立っている。  「本業は堅調なものの不動産事業などでつまずく企業や、大企業が『選択と集 中』を進め、中核から外れる事業が増えてきた。そうした企業群には立て直しや 自立を支援する存在が必要だ。我々には再生ファンドという意識はないが、産業 の構造転換を促すことで日本経済の再生に役立ちたい」 キーワード  <カーライル・グループ> 世界最大級の独立系投資会社。運用総額は183 億ドル(約2兆円)で、87年の設立以来、300件を超える案件に投資してき た。本社はワシントン。現在の会長はルイス・ガースナー元米IBM会長。日本 には00年5月に進出。ADSL(非対称デジタル加入者線)大手のイー・アク セスに出資、ダイエーの売上金輸送子会社などを買収している。